研究課題
【臨床的研究】:幼稚園で文字を教わっていない年長児100名以上を対象に、就学前の認知能力と家庭での環境要因が、小学校入学後のひらがなの「読み」の習得にどのように影響するのかを縦断的に検討した。その結果、認知能力としては自動化能力と音韻認識能力が強くかかわり、有意な予測因子であった。一方、環境要因は「読み」の正確性には影響しなかった。貢献度は認知能力に比べ小さいが流暢性には、読書体験が影響を与えることがわかった(「音声言語医学」2016印刷中)。「書字」については、「読み」よりも、練習したかどうかという環境要因が強く影響していたが、それでも認知能力に比べての貢献度は低く、ひらがなの習得には、もともとの認知能力が大きく影響することが分かった。ひらがなやカタカナは、文字列と音韻列との関係が規則的な文字体系であることが、習得が容易であることにつながり、もともとの認知能力の影響が強くなることにつながるのではないかと考える。漢字や英語など不規則な文字体系とは異なる可能性が考えられる。【生理学的研究】:生理学的研究を担当している分担研究者が定年退官により担当者が不在であるため、本年は研究を進めなかった。【脳科学研究】:機能的MRIを用いた研究により、漢字をはじめに視覚的に形態をとらえて、徐々に言語としての文字を処理していくプロセスに関して、処理する場所が、左大脳の後部から徐々に前方へ移動していくことが分かった。一方、右大脳半球では、図形と文字を処理する場所に差がなかった。英文誌に論文が受理された(「Brain&Behavior」2016印刷中)。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 1件、 査読あり 14件、 謝辞記載あり 8件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 7件、 招待講演 5件) 図書 (2件)
音声言語医学
巻: 57 ページ: 印刷中
LD研究
巻: 25 ページ: 印刷中
巻: 57(3) ページ: 印刷中
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