研究課題/領域番号 |
23340016
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
HESSELHOLT LARS 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (10436991)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 実代数K理論 / 同変安定ホモトピー論 |
研究概要 |
平成24年度前期に、Ib Madsen教授との共同研究を継続するためにコペンハーゲン大学にしばらく滞在し、実代数K理論の研究の進展をめざした。この研究における主な達成点は実代数K理論の(実)加法定理の証明であった。この証明は上述理論の発展のための中心をなすものである。例えば、実代数的K理論スペクトルはpositively fibrantであることを意味する。 我々は、明示的な実ホモトピーを示すことによりこの定理を証明している。その結果としてこの証明は非常に広く応用可能であり、特に位相的 Hochschild ホモロジーと位相的巡回ホモロジーに有用である。スタンフォード大学で開催された国際会議"Algebraic Topology: Applications and New Directions, Stanford Symposim 2012"において、主講演としてその結果を発表した。また、ボン大学のトポロジーセミナーにおいても、招待講演として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在までの達成度は非常に満足のいくものである。Ib Madsen教授との共同により進展をみている実代数K理論の研究の新しい理論は、大いに注目を集めている。この理論を無限圏の領域まで一般化しようとする活発な研究グループがすでにいくつも出現している。さらに、Madsen教授の学生 Emanuele Dotto は実代数K理論に関する論文により博士号を取得し、権威あるMITのC. L. M. Mooreインストラクターシップを受けている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度には、この実代数K理論をさらに発展させ、これまでの結果を詳述した一連の論文を完成させる予定である。加えて、この理論を、円のWhitehead空間での標準的な対合の決定に応用する研究を開始することにしている。後者は負の断面曲率の閉リーマン多様体の同相写像空間の低次元ホモトピー群を決定するために非常に重要である。この目的を達成するために, Goodwillieの関手微積分の実バーションを発展させることが必要である。今年度着手したJohn Klein教授とのこの方向の共同研究を継続する。
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