本研究は、弾性体・流体などの動力学相互作用をエネルギー系として記述し、変分法に基づいた数学的解法とシミュレーション技法を確立することを目標としていた。相互作用として付着・剥離・衝突を想定する。対象物が体積保存するなど大域的制約条件が付く場合を取り扱った。 このために、エネルギー法(Lagrangian)に基づく方法論である離散勾配流法を導入した。これは時間差分空間微分型汎関数を用いて双曲型方程式の近似解の構成に変分の直接法を用いるものである。この方法は偏微分方程式に比べて大域的情報を含めやすい。弾性体の振動などを記述する場合に優れている。非局所効果や不連続性のある諸問題の解析も行った。
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