研究課題/領域番号 |
23360026
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
谷田貝 豊彦 宇都宮大学, オプティクス教育研究センター, 教授 (90087445)
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研究分担者 |
センズ アブラハムヨゼブズ 宇都宮大学, オプティクス教育研究センター, 准教授 (90566366)
松田 勝 宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (20414013)
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キーワード | OCT / 生体計測 / 三次元可視化 |
研究概要 |
蛍光たんぱく質技術や蛍光顕微鏡技術の発展により、細胞内におけるたんぱく質分子動態や分子相互作用、遺伝子活性化などが簡便に生きたままの状態でイメージング出来るようになり、細胞生物学は飛躍的発展をとげた。この流れは、診断医学や発生生物学などの"組織"や"個体"をあつかう様々な研究分野に波及することは間違いない。ここでは、脊椎動物の中でも発生学的研究が最も進んでいるメダカを取り上げ、初期発生から器官・臓器の発生までを、蛍光たんぱく質遺伝子導入無しに三次元可視化する技術の開発を行う。 可視化の手段として、眼底イメージング技術である光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を改良して、水中観測可能な高解像度・高速OCTを開発し、メダカの器官・臓器の発生を非侵襲時系列的に三次元イメージングする。モデル動物を使った研究により、新機能を持つ遺伝子の同定やヒトの器官・臓器の発生や疾患の解析などが可能となり、この分野に飛躍的発展をもたらす。 本年度は全体の光学系の基本仕様の決定と概略設計を主に行った。 個別的な課題は、(1)高帯域光源と回折光学系の調整 本研究で開発する高速OCT装置は、水中で生きたままの状態のメダカの器官・臓器の断層映像の取得を目的として、中心波長870n、映像データ取得速度140kHzのOCT装置を開発することである。この目的を達成するため、データ分光データを超高速ラインカメラを使用することで、140kHzのデータ取得速度を実現した。さらに、(2)適応光学系の設計と調整。(3)液浸型対物レンズ系の設計・試作。(4)全光学系の概略設計およびレンズ設計ソフトZemaxによる光学系のシミュレーションと評価、なども行った。 従来の網膜観測用のOCT装置でメダカの断層映像化実験を行い、基礎実験を開始する。フーリエ領域OCTの装置制御および像再生ソフトウエアーはすでに完成しているので、これを一部改良して用いる。また、適応光学系駆動用のソフトウエアーも、網膜観測用の0CT装置で利用したものを改良する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光学系の調整も順調に行われている。メダカを用いた実地試験は行っていないが、他のサンプルの実験には成功している。
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今後の研究の推進方策 |
メダカの観測実験を開始する。そのためには、水中観測用のセルの工夫、データ収集速度の高速化などの課題を解決することが必要である。
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