軟骨組織から取り出した軟骨細胞をアガロースゲル内に分散し3次元培養した再生軟骨モデルの表面に,プラスチックローラーを用いて摺動(摩擦)負荷を加え,再生組織表面への潤滑機能の構築と,組織の健全性に及ぼす影響を評価した.その結果,組織表面に加わる適度な摺動負荷は,組織形成を促進するだけで無く,組織内に生体軟骨に見られるような構造的異方性の形成を促すことが示された.また組織表面の潤滑性は確認できなかったものの,潤滑の破綻により5%程度のせん断ひずみが組織に生じると,細胞の一部が死んでしまい組織がダメージを受ける可能性が示された.
|