研究課題/領域番号 |
23360275
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
松隈 洋 京都工芸繊維大学, 美術工芸資料館, 教授 (80324721)
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研究分担者 |
角田 暁治 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (60379063)
石田 潤一郎 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (80151372)
笠原 一人 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (80303931)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 村野藤吾 / 図面 / 非公表 / アンビルト |
研究概要 |
京都工芸繊維大学は5万点以上に及ぶ村野藤吾の建築設計図・エスキス類を所蔵している。その中には、設計は完了しているが実施にいたらなかった建築作品、あるいは完成したもののその存在が公にされなかった作品が数十件存在する。本研究は、これらの様態を把握し、村野藤吾の理解に向けて重要な知見を加えるとともに、日本近代建築の社会的背景に対する新たな照明を与えることを目的とする。 本年度は、研究対象として近年新たに発見された図面資料の中から非公表作品および非公表図面資料を選定し、研究のための基礎資料作成の一環として、選定した作品の図面資料の整理・保存作業を行った。作品ごとに分類し、整理カードおよびパソコンでのデータ記入を行い、整理ケースにしまう作業を行なった。また研究対象とする作品を適宜、大型スキャナーでデジタルデータ化する作業も行った。 また、非公表作品および非公表図面資料の解明を行った。本年度は対象として、ドウトン(1955年)、浪花組ビルディング(住実ビル/1964年)、千里南地区市民センター(1976年)、村野・森建築事務所(1966年)、大阪ビルヂング八重洲口(1967年)、高橋ビル本館(1970年)、高橋ビル東館(1967年)、高橋ビル東3号館(1969年)などを選んだ。 非公表作品については、現地調査や文献調査、写真資料調査などを通じて、所在地や施主、設計経緯、建物の特徴などを明らかにした。非公表図面資料については、それらの資料や追加の文献資料などによる考察を通じて、従来知られていなかった設計経緯や建物の特徴などを明らかにした。これらの研究成果は、第12回村野藤吾建築設計図展を開催し一般に公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、都市部に立つ村野作品のうち、竣工時に公表されていない作品の図面資料を用いて研究を進めた。その結果、複数の非公表作品についての研究が進み、その建物の特徴や設計経緯などが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、本年度と同様に研究や作業を進め、未知の村野作品について明らかにする。
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