研究課題
本研究は、(1)タンパク質計算科学の活用によるリガンドのデザイン手法の開発、(2)最新の有機合成化学技術によるリガンドの効率的な化学合成法の開発、とこれらの有機的統合を目的としている。平成25-26年度はCXCR7ケモカイン受容体の選択的リガンドの開発を目指した。まず、CXCR7と同じ内因性SDF-1により活性化されるCXCR4の選択的阻害剤FC131のGlyをProに変換することで受容体選択性をCXCR4からCXCR7に変換できることを見出した。さらに既に報告しているCXCR7のホモロジーモデルとのDocking Simulationを活用して強力なCXCR7結合活性を有する化合物cyclo(-D-Tyr-Arg-MeArg-Nal-Pro-)を見出した。CXCR7は癌や関節リウマチの憎悪等に関与することが知られている。我々は既にCXCR7のホモロジーモデルを利用して数種の非ペプチド性低分子阻害剤も見出しており、本受容体の特異的リガンドは今後の創薬展開に有用な知見を提供すると判断される。本研究ではプロテインキナーゼCK2およびスフィンゴシンキナーゼ(SphK)阻害剤に対する実践的創薬研究も実施した。前者の研究に於いては既にフェニルチアゾール骨格やベンゾインダゾール骨格を有するCK2阻害剤を見出している。本年度は溶解性の向上を目的としてフェニルチアゾール骨格の構造修飾を行い、フェニル基を含窒素芳香環等に変換することにより目的を達成した。後者の研究に於いては天然物Jaspine Bのエピマーをリードとした構造活性相関により2種類のイソフォーム(SphK1/SphK2)の選択的阻害に必要な構造的要因に関する基礎的知見を得ることができた。またキネシンモータータンパク(KSP)阻害剤についても検討を加え、カルバゾール型化合物から水溶性を向上したジアリルアミン型阻害剤を創出した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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