研究課題/領域番号 |
23390355
|
研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
宮武 伸一 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90209916)
|
研究分担者 |
川端 信司 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20340549)
道上 宏之 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20572499)
黒岩 敏彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30178115)
梶本 宜永 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (30224413)
切畑 光統 大阪府立大学, 21世紀科学研究機構, 教授 (60128767)
増永 慎一郎 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (80238914)
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 放射線 / X線 / 粒子線 / BNCT / グリオーマ幹細胞 |
研究概要 |
神経膠芽腫が難治である原因はその浸潤的発育と、その腫瘍細胞内にわずかに存在するグリオーマ幹細胞(GSC)が、放射線治療および化学療法に抵抗性を示すことによる。一方、BNCTにおける殺細胞効果の担い手であるα,Li粒子は高LETの粒子線であり、放射線(X線)治療抵抗性を示す腫瘍にも強い抗腫瘍効果を示すことが期待される。一方GSCにおける薬剤抵抗性の機序の一つに、薬剤排出能の亢進が考えられる。本研究ではGSCの薬剤排出能の制御による硼素化合物の細胞内集積および分子生物学的手法による新規硼素化合物作成とBNCTによる組み合わせにより、グリオーマ幹細胞の治療抵抗性の克復を試みることを研究の目的とした。 しかし、ほう素化合物のアミノ酸修飾による、GSCへの集積増強は確認できたが、常時一定量のほう素を安定してGSC, GBMの細胞内に導入することは困難であり、X線とBNCTでの主たる細胞破壊効果の担い手であるα、Li-線を同一の物理線量で比較することは困難であることが判明した。 よって方針を変えて以下の研究により高LETの陽子線を利用した実験系に変更した。すなわちGBM 細胞株U251より、GSC誘導用の無血清培地でGSCを誘導した。この細胞株でのSOX-2、CD133等のマーカーの変化は確認しGSCのstemnessを確認した。この2種類の細胞株にほう素化合物非存在下で等物理線量のX線と中性子線を照射し、colony forming assay, gamma H2A assayでの細胞のダメージを評価した。後者での主たる細胞障害の担い手は窒素中性子捕捉反応により生じる、高LET粒子線である陽子線であり、同一物理線量ではX線より細胞障害活性が高く、DNA double strand brake の効率も高いことを示した。すなわち、高LET粒子線はGSCのX線抵抗性を克服することを証明した。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|