研究課題/領域番号 |
23402050
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
笠原 清志 立教大学, 経営学部, 教授 (80185743)
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研究分担者 |
倉沢 宰 立教大学, 21世紀社会デザイン研究科, 教授 (20153778)
大橋 正明 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 教授 (20257273)
中村 陽一 立教大学, 法学部, 教授 (40285185)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | マイクロクレジット / 自立と共生 / グラミン銀行 / BRAC / バングラデシュ / 貧困削減 / NGO / 自立支援 |
研究概要 |
平成24年度から25年3月までに、日本側研究者が総計で5回、バングラデシュに出張し、ダッカ大学側の協力を得て各種の調査を実施し、資料の収集を行った。そこにおいては、1、日本側研究者は、バングラデシュ側研究協力者とともに、3村を訪問し、全世帯についてのメンバー構成、土地、資産、総収入、といった基本情報を収集し3村におけるカテゴリー化を行った。しかし、政情不安と全国レベルでのストライキの発生によって、ボリシャル地区での調査は十分に実施できなかった。 2、調査予定の3村では、マイクロクレジットを貸与された人たち各5件について、詳細な記録を残し定量的調査の分析の際の参考となるべくヒアリング調査を実施した。 3、3村における定量的調査とヒアリング調査を踏まえ、マイクロクレジットの各階層別の貧困削減効果とコミュニティベースでの社会構造変化の分析を行った。そして、ヒアリングをもとに、非政府組織側の組織・財政構造やドナーからの要請、そして返済率向上のために極貧層に対するマイクロクレジットの貸与機会が排除されていくメカニズムを検討した。 当初の研究実施計画から考えると、ボリシャル地区の政情不安でこの地域の十分な調査が実施できなかったこと、また定量的調査のデータが膨大であることから、それらのデータ整理が十分に進んでいないことがあげられる。今後は、ボリシャル地区の政治状況を考え、安全が保障された段階で早急に調査を実施し、他方でまたデータ処理を急ぐ必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ダッカ大学の研究協力者とのコラボによって、研究調査の進捗状況は、「おおむね順調に進んでいる」といえる。しかし、当初の研究実施計画から考えると、ボリシャル地区の政情不安でこの地域の十分な調査が実施できなかったこと、また定量的調査のデータが膨大であるところから、多少、遅れているといわざるを得ない。 しかし、当プロジェクトの実施から考えると、ボリシャル地区の政情不安は不可抗力的なことであるし、今後の状況の推移を見て対応する以外にないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年4月から26年3月にかけては、当初の計画通り平成24年度調査のフォローアップ調査、そして遅れている膨大な調査資料やデータの整理を行い、最終的には調査結果を中心にミニシンポの実施と調査報告書の作成を行うものとする。 他方で、政情不安が深刻化し現地での調査が十分にできなかったボリシャル地区での調査は、今後の状況の推移を見て対応する以外にないと考えている。
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