研究課題
嶋田と加藤と伊藤は、中米産Acanthoscelidina族マメゾウムシ約70種について、mtDNAのsrRNA領域とnDNAのEF1a遺伝子を用いた分子系統解析に基づき、利用植物の進化的な変遷を推定した。近縁なマメゾウムシが近縁な植物を利用する系統保存的なパターンが広範に見られる一方、遊離アミノ酸カナバニンを含むマメ科植物間ではマメゾウムシの寄主シフトが推定された。徳永は、平成25年度はスペインの市場や貯穀倉庫を徹底的に調べ、マメゾウムシ群集を調査した。その結果、ヨツモンマメゾウムシとアズキゾウムシなどの実験個体群を新たに確立できた。これらのマメゾウムシ個体群を用いて、採集された豆と異なる豆で飼育した場合の、競争形質や繁殖行動の変化について実験を行ない、論文を作成中である。津田はアズキゾウムシについて、地理的隔離または利用寄主植物による遺伝的分化と、作物貿易による長距離遺伝子流動を検証した。アジア・アフリカの異なる集団についてmtDNAとnDNA上の遺伝子塩基配列を決定し、遺伝的変異を解析した。mtDNAは広域分布するハプロタイプが存在し、母系系統の広域移動を示唆した。寄主植物による分化はmtDNAとnDNA双方で著しく、特に台湾南部のマメ科草本につく集団で顕著だったが、自然選択や集団の急速な拡張はこの集団では検出されず、長期的隔離による分化と考えられる。藤井は、東南アジアと日本の植物からアレロパシー活性の強い植物約300種を調べ、活性の強い植物についてその成分を分析した。マメ科薬用植物に強い 活性があり、東南アジアで畑の境栽作物として栽培されるマメ科の灌木Gliricidia sepiumに強い活性を見出し、活性成分を調べた結果、クマリンが本体であることが分かった。強い活性を示すケイ皮酸誘導体の作用を調べた結果、オーキシンとは異なる機構で重力屈性に影響を及ぼす可能性を示した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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