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2011 年度 実績報告書

インドシナにおける伝統的農産物加工品の高付加価値化に関するビジネスモデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23405048
研究種目

基盤研究(B)

研究機関名古屋大学

研究代表者

伊藤 香純  名古屋大学, 農学国際教育協力研究センター, 准教授 (10467334)

研究分担者 松本 哲男  名古屋大学, 農学国際教育協力研究センター, 名誉教授 (30313977)
前多 敬一郎  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (30181580)
山内 章  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30230303)
キーワードカンボジア / 生計向上 / 農産物加工品 / 高付加価値化 / ビジネスモデル
研究概要

1.米蒸留酒の市場ニーズ調査
これまでの研究によって、プノンペン市内に居住するカンボジア人の飲酒傾向については、大枠で把握されているが、高付加価値化に向けた販売ターゲットが定まるには至っていない。そこで、物産展などが開催される機会に市場ニーズ調査を実施した結果、米蒸留酒の試作品に対して消費者が高い価値観を抱く傾向が確認された。また、試作品の購買層は主に男性であり、女性層を取り込める商品化を考慮する必要性が示唆された。
2.米蒸留酒の商品化・販路開拓
上記1.の調査結果に基づき、瓶やラベルなどを選定して商品を製造し、カンボジア商業省へ商品登録を行い、販売許可を取得する準備が整った。また高付加価値化を目指すことから、これと並行して、高級レストラン、ホテル、バー、またカンボジアの伝統料理を扱うレストラン等を対象として、試作品の広報・営業に着手した。さらに商品をカンボジア国の「一村一品商品」として位置づけるべく、同運動を管轄するカンボジア国内務省への活動紹介を行い、登録準備を進めた。
3.仮説ビジネスモデルの構築
上記2.の実践結果から、高付加価値化の状況、販売ターゲット、流通・販売システムの機能状況を分析・評価し、開発・商品化・利益の確保のサイクルが継続し得る仮説ビジネスモデルを構築に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

市場ニーズ調査を実施した結果、高品質商品に対する女性の意識が予想以上に高いことが確認された。この状況を踏まえて、高付加価値化を進めるに際し、女性が購買層となりうる商品の開発・商品化が必要となり、研究開始当初に想定していた商品化に加えて新たな商品を加えることとした。以上のような、現地における状況把握の結果に基づいた研究を行うことにより、計画と比較してやや進行に遅れがみられている。

今後の研究の推進方策

1.米蒸留酒の商品化・販路開拓
販売を開始した商品について、高級レストラン、ホテル、バー、またカンボジアの伝統料理を扱うレストラン等を対象として、商品の売り込みを行うことで、高付加価値化を目指す。カンボジア国の一村一品商品への登録を目指し、同国内務省、農林水産省などの関係省庁や各国大使館に対する宣伝活動を実施するとともに、現地の旅行雑誌、新聞などのメディアを活用した広報・宣伝に努め、高付加価値化の実践を行う。また、顧客価値の分析結果に基づいて、新たな販路開拓および商品パッケージの変更などを実施し、高付加価値化の実践を進める。
2.伝統的技法に関する調査とその市場調査
商品化の可能性が示唆されている野菜パウダーを用いた加工品(アイスクリーム等)に
ついて、試作品の製造・試販売を実施する。また、その他の伝統的な加工品について、複数の加工農家の製造方法を観察し、聞き取り調査を行うことで伝統的な加工方法を見いだす。見いだした加工品について前年度と同様に調査を行い、商品化の可能性、販売ターゲット、場所、方法等を分析し、商品化を目指す加工品としての試作品を製造する。これらの結果に基づき、品質向上のための改善点を見いだし、協力農家とともに実践を繰り返し、試食会などを通じて品質向上を確認する。また、王立農業大学の食品加工研究室において実験を繰り返すことで、衛生的且つ製品の味を落とさない保存・包装方法を見いだす。品質及び包装を向上させた試作品を作り、消費者からの反応を調べることで、高付加価値化に必要な対応を取る。

研究成果

(3件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 学会発表

  • [雑誌論文] カンボジアにおける農産物加工産業振興モデルの構築を通じた人材育成2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤香純
    • 雑誌名

      農学国際協力

      巻: 12 ページ: 72-91

    • 査読あり
  • [学会発表] カンボジアにおける米蒸留酒の販売戦略の策定:伝統的農産物加工品の付加価値販売による農家の生計向上に向けて

    • 著者名/発表者名
      黒田孝、伊藤香純、松本哲男
    • 学会等名
      日本国際地域開発学会
    • 発表場所
      東京農業大学
  • [学会発表] ラオス農村地域において農産物加工業が従事世帯の生計に及ぼす影響とその経営状況

    • 著者名/発表者名
      渡瀬友亮、伊藤香純
    • 学会等名
      日本国際地域開発学会
    • 発表場所
      名古屋大学

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公開日: 2014-07-24  

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