脳損傷部におけるtransforming growth factor-β1(TGF-β1)の機能を明らかにする目的で以下の実験を行った。マウスの脳損傷部に各種の糖鎖分解酵素を投与した結果、コンドロイチン硫酸が切断された中脳ドーパミン軸索の再生阻害に働き、コンドロイチン硫酸の異性体であるデルマタン硫酸が線維性瘢痕の形成に関与することを見出した(Li et al., 2013)。損傷部におけるデルマタン硫酸の発現はTGF-β1により誘導されることから、線維性瘢痕の形成に対するTGF-β1の作用はデルマタン硫酸を介すると考えられた。
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