研究課題/領域番号 |
23500428
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
後藤 恵 徳島大学, 大学病院, 講師 (50240916)
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研究分担者 |
梶 龍兒 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00214304)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ジストニア / 大脳基底核 / 機能解剖 / 定位脳手術 / DBS |
研究概要 |
DYT3ジストニアの責任遺伝子産物であるN-TAF1に対するモノクローナル抗体を作成しラット脳内分布を検索したところ、N-TAF1は線条体ストリオゾーム分画の中型有棘神経細胞に特異的に発現していることが判明した。この所見はDYT3ジストニアの病理像を理解する上で重要と考え報告した (Neuroscience 2011;189:100-107)。ジストニアを呈する疾患モデルであるドパミンD1受容体陽性細胞欠失マウスの解析では、ジストニア発症時期に一致してストリオゾームでの選択的な神経細胞の脱落がみられた。これは、私達が提唱する"ジストニア発現機序ストリオゾーム仮説"と符合するものであり現在投稿準備中である。また、DYT1ジストニアの疾患モデルであるDeltaE-TorsinA過剰発現ラットではストリオゾームでのG-protein coupled receptorsの異常発現が存在することを発見し、現在さらに研究を進めている。また、これらの研究の過程でCdk5-pY15がマトリックス分画に豊富に存在することを見出しc-Abl阻害薬との薬理効果を検索中である。ジストニア患者に対する脳深部刺激術の際の臨床生理学的解析では、フィリピンから来日したDYT3患者を含め10人のジストニア患者に施術し、微小電極記録を含めて臨床データを蓄積している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ジストニア疾患モデルの病理・解剖解析およびジストニア患者の臨床解析について、特に問題なく順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究実施計画従って、遺伝性ジストニアDYT3を疾患モデルとしてジストニア発現をきたす線条体病理を、分子・細胞・神経回路レベルで解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度と同様に物品費(消耗品費)、旅費、人件費・謝金に充当する。備品の購入計画はない。
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