職業の認知的要求度を調査するために「仕事中の記憶など認知的負担に関するアンケート」を作成し,就労している高次脳機能障害者15名を対象として実施した.対象者の認知機能は神経心理学的検査と外来診察時の観察により評価し,アンケート結果と比較検討した.認知的能力とアンケート結果とを認知的領域別にプロフィール化して対比すると,ボトルネック・パタン8名,マッチ良好パタン3名,マッチ不良パタン4名に大別された.「仕事中の記憶など認知的負担に関するアンケート」は,高次脳機能障害者の認知機能の側面別に負担感を調査するのに有用であり,就労前の職務内容の調査にも応用できる可能性がある.
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