雑音除去等の処理を行うことのできる次世代の両耳聴補聴器において、両耳が塞がれるために、処理による時間遅れが問題となる。特に視聴覚間で時間差が生じる場合に、音声認知の不具合、定位感の不具合、などがあるため、この時間差条件を明らかにし、処理の遅れ時間の許容範囲を求めることが必要である。本研究の結果、この許容時間については、約100ms程度までの遅れ時間に収めることが必要であることがわかった。また、特に子音における影響が大きくなることも明らかとなった。さらに、移動音源に対して定位感を評価したところ、音源が人の歩行速度程度場合には、約100ms程度まで、定位に違和感を感じないことが明らかとなった。
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