食行動の端緒となる「食意欲」を調べる日本語版質問紙(Power of Food Scale)を確立した上で、その質問紙調査と並行して、食物画像の提示に応答する脳活動を時間分解能に優れた脳磁図計を用いて観察した。その結果、現代人の食意欲の制御不良「抗いがたさ」(歪んだ食-脳連関)とその個人差を生む脳神経基盤には、食に関する諸感覚の統合中枢である島皮質での瞬時の脳活動が深く関わっていた。また、食意欲の強さは日頃の運動習慣の少なさ(年間1回以下)と正相関し、少しでも運動することで食意欲を抑えられる可能性が示唆された。また、食意欲は各人の運動に関する心的イメージの性質とも関連していた。
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