研究概要 |
生活者の健康管理の高まりによって健康食品が注目されている。健康食品の安全性としては、過剰摂取・長期摂取、医薬品との相互作用がある。しかし、健康食品を数種類摂取する場合もあり、その安全性にも注視する必要がある。そこで、健康食品の複数摂取の研究モデルとして、イソフラボンを含む各種健康食品を併用摂取した場合の複合エストロゲン活性に関する研究を行うことを目的とした。具体的には、各種健康食品(大豆イソフラボン、レッドクローバーなどのサプリメント)のイソフラボン含有量を調べ、in vivoやin vitroで各種健康食品の素材の併用時の複合エストロゲン活性を検討し、健康食品の併用摂取時の安全性を摂取量と作用の両面から考察することとした。 まず、ドラッグストアあるいはインターネットを通じて、イソフラボン含有のレッドクローバー(RC)、プエラリアミリフィカ(PM)、大豆イソフラボン(DI)、クズ(PL)、アルファルファ(AF)を含むサプリメントを国内外から購入し、容器・包装に表示された情報を整理した。原材料について、RCはRCとともにDIを含むものがあり、PMもPMとともにRC、DIを含むものがあった。エストロゲン活性をもつ成分素材を組み合わせたサプリメントがあることが判明した。 次に、収集した各種サプリメントのイソフラボンを分析するための検討を行った。試験溶液の調製は川添らの方法(食衛誌, 51, 101-109, 2010)、大豆イソフラボン12種類、formononetin、puerarin のHPLC条件は厚生労働省の指針(通知, 食安発第0823001号, 2006)、biochanin AについてはWangらの方法(J. Agric. Food Chem., 28, 185-190, 1990)を用いることで、多くのイソフラボンの分析が可能となった。
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