研究課題/領域番号 |
23501026
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
満木 泰郎 法政大学, デザイン工学部, 教授 (70229334)
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研究分担者 |
溝渕 利明 法政大学, デザイン工学部, 教授 (60339504)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 工学教育 / 立体視向上技術 / 縮尺鉄筋 |
研究概要 |
本研究は,自らの手で鉄筋模型を組み,ミニチュアコンクリートを打込むことで,平面図面(2次元)からの構造物の立体視(3次元化)を行える能力を高めるとともに,構造上何故その部位に鉄筋が必要であるか等を理解させるための教育ツールシステム等の開発を目的とし、平成23年度は、以下の研究を行った。1. 教育ツールを用いた実習システムの開発として、縮尺鉄筋を用いたスケルトンモデルの製作を行った。対象部材は柱,梁及びスラブとし,断面計算を行った結果を基にCAD等で製図を学生に作成させ,スケルトンモデルを製作させた。学部生には卒業研究やゼミナールにおいて,大学院生については大学院の講義の中で,実習形式で行わせて,製作時間や立体視での問題点,製作上の課題の抽出を行った。これらの情報を基に,教育ツールとして実習形式で行うシステム構築の際の資料をえた。また、システム開発のための意見聴取として、コンクリート工学年次学術講演会において、模型の展示、ベトナムホーチミン市工業大学においてNguyen Van Chanh教授らと縮尺鉄筋に関する意見交換を行った。 2. 施工・ディテールのための教育ツールの開発として、構造物の形状や内部構造をイメージするためには,実物を忠実に縮尺することが必要であり,そのためには,教育ツールとして細部までこだわった素材とする必要がある。23年度は、構造実験に適用できる縮尺鉄筋の開発として、縮尺鉄筋の材料特性に関して,降伏点の再現と実際の鉄筋の応力-ひずみ関係について実物の鉄筋との比較検討を行った。また、ミニチュアコンクリートの開発として、骨材寸法を単純に縮尺したコンクリートの配合設計を行い、縮尺鉄筋との付着強度などの基礎物性試験をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教育ツールを用いた実習システムの開発について、縮尺鉄筋を用いたスケルトンモデルの作製など予定通り実施した。また、システム開発のための意見聴取等をおこなった。施工・ディテールのための教育ツールの開発として、縮尺鉄筋の特性およびミニチュアコンクリートに関する試験を行った。
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今後の研究の推進方策 |
教育ツールを用いた実習システムの開発(平成23年からの継続項目)については、小型構造実験用縮尺鉄筋を用いた部材の構造特性の検討、構造物モデルの作製をおこない、教育システムを構築していく。施工・ディテールのための教育ツールの開発(平成23年からの継続項目)については、構造実験用縮尺鉄筋及びミニチュアコンクリートの基礎物性の把握を行い、以上の検討結果から,卓上で学生が自らの手で作製した構造実験用部材で実験を行えるようになり,目の前で破壊実験のできる教育ツールのための教育素材を提供する。構造設計・力の流れの教育ツールの開発については、学生の教育の一環として,自ら断面設計させた結果を用いて,梁部材を作製させて,卓上で部材実験を行わせることにより、小型模型による梁の実験と教育的効果に関する検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費として、卓上簡易載荷試験装置購入費(30万円)、縮尺鉄筋購入費85万円、旅費として日本コンクリート工学協会年次大会参加旅費10万円、その他の経費として、印刷費1万円、模型等の運搬費4万円、合計130万円震災等の影響により予定した作業を次年度に繰り越さざるを得なかったので、次年度使用額が生じた。
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