研究課題/領域番号 |
23501030
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研究機関 | 長野大学 |
研究代表者 |
和田 勉 長野大学, 企業情報学部, 教授 (70175149)
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キーワード | 情報教育 / CSアンプラグド / 国際情報交換 / 韓国語 / 中国語 / スペイン語 / シンガポール / 台湾 |
研究概要 |
平成24年度は、ひきつづきCSアンプラグドおよび情報教育全般に関し、研究代表者・連携研究者、および関係する組織外の研究者の間でひんぱんな情報収集と打ち合わせを行なった。情報教育シンポジウムSSS2012においては、「(初)中等情報教育の現状をふまえた大学における一般情報教育の課題」と題し、調査検討してきた外国の情報教育の状況も踏まえて、我が国の初中等情報教育と大学一般情報教育の双方を見据えた立場からのパネル討論を行なった。 海外の情報教育との交流として、シンガポールの各教育機関および政府教育省を研究代表者および連携研究者4名の計5名で訪問し、CSアンプラグドに限らず同国の教育行政・初等教育・高等教育につい情報教育を軸に調査し、また日本の情報教育についてシンガポール政府の担当者にも紹介した。この結果は「情報処理」に執筆した。 CSアンプラグドについては、ひきつづき各国語版の間の相互比較を行なっている。研究代表者は中国語を解するので、中国人留学生とともに繰り返し中国語版・英語版・日本語版の比較研究を行なっている。さらに当初の計画であるアジア内という枠を超え、スペイン語を解する学生の協力のもと、スペイン語版についても比較を始めており、同言語版独自の工夫がなされている箇所について検討し、中国語・日本語・韓国語版の改良に役立てることをめざして作業を始めている。 また、研究代表者の所属する大学内において、情報教育の国際比較をまじえて、大学一般情報教育のあるべき姿について講演を行なった。一般に数理系分野の方と情報教育を論じる機会は多いが、異分野(特に非数理系)の研究者との交流・相互理解は機会が少ない。今回は社会学や経済学を専門とし情報分野と縁遠い研究者に理解してもらうことを試みたものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外からの研究者招聘が実現していない。また、多くの国・地域に研究代表者と連携研究者が行くだけの予算が無いことから、今年度はシンガポール1か国だけの調査・交流にとどまった。日常的に研究情報収集や情報交換に1回あたり数万円程度の旅費が多数回必要なことから、必須のそのような旅費に予算を多く割かざるを得ないことも大きい。
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今後の研究の推進方策 |
予算的にきびしいが、用途を工夫することで、海外の情報教育の調査や海外の情報教育の研究者・実践者との交流を深めてゆきたい。他の研究費との連携により予算の不足をカバーすることも考えている。その場合必然的に、双方の研究費の目的を兼ねた調査交流旅行となるが、必ずしも当初めざした特定の目的に沿うかという狭い視点でなく、情報教育のみならず情報科学・情報学分野や教育学分野全体においての意義を見据え、その国際交流全般に関しての貢献という視点から調査研究活動を進めてゆく。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度である2011年度は当初予定の活動が一部できなかったため約18万円を繰り越した。今年度はそのぶんの活動をある程度補ったが、十分ではなかったため約7万円を繰り越すこととなった。2013年度はそれと新たに交付される額と合わせ、主に国内および海外旅費に使って調査研究をすすめて行く。
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