研究課題
基盤研究(C)
中世東アジアの漆に関する物質文化交流解明を目的とする本研究では、大陸伝来漆器と列島内中世漆器等の下地調整技法に着目した塗膜断面構造解析を実施した。その結果、伝来漆器では下地調整に際し砂と結合剤(膠、漆)を選択的に用いていた。同様の下地調整技法で製作された漆器は列島内の中世城館跡からも検出され、同時に火山灰や炭粉を用いた漆器も確認された。これらの下地結合剤及び混和材の調査結果から、中世漆器を大陸産と列島内産とに分類できる可能性が高いことが示され、又、下地断面鉱物混和材と現在使用の地粉粒度比較を通して、江戸時代に現代とほぼ同じ粒度の整った地粉が開発され、今に至る漆工技術が確立されたことを確認した。
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The International Institute for Conservation
ページ: 384-385
The Proceeding of the Second Symposium of the Society for Conservation of Cultural Heritage in East Asia (科学出版社)
ページ: 389-402