本研究は、現存のX線集光素子と比べて作製が比較的容易かつ高い集光性能を有する、「全反射ゾーンプレート」の開発を行った。1次元集光を行う線集光タイプについて、5 nm以下の理論性能をもつ素子の設計、作製を行い、20 nm以下の集光サイズを達成し、従来の性能を上回る集光効率を達成した。また、2つの線集光タイプを利用した、50 nm以下の点集光にも成功した。さらに、2次元集光を行う点集光タイプについての提案を行い、理論計算によりその有用性を実証した。その作製法についての検討も行い、実際に円筒基板を利用したプロトタイプ素子の試作に成功した。
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