研究課題
近年H.pylori感染において、病原因子の一つであるCagAが胃上皮細胞内のシグナル伝達因子をチロシンリン酸化し、細胞の癌化に関与することが明らかとなってきた。本研究課題では感染による病態をシステムレベルで理解するために、H.pylori感染におけるシグナル伝達因子の時系列活性変動データを包括的に取得することを目標とする。本研究グループはこれまでにSILAC(Stable Isotope Labeling by Amino acids in Cell culture)法をベースにしたチロシンリン酸化ネットワークの相対変動解析法(Blagoev et al., Nat. Biotechnol., 22, 1139-1145, 2004)を基盤として方法論の改良に取り組み、(1)チロシンリン酸化蛋白質の包括的回収・特異的溶出法の開発、(2)溶出物の一括酵素処理によって調製されたサンプルに関するショットガン解析を行うためのnanoLC-MS/MS測定系の構築、そして(3)得られた生データから自動で相対定量を行う情報解析システムの開発を進め、サンプル調製から活性変動データの作成に至るまでスループットが非常に高い実験系を確立している(Oyama et al., Mol. Cell. Proteomics, 8: 226-231, 2009)。平成25年度は、微量蛋白質群を分子量に基づいて液中で分離・回収することが可能なGelfree 8100 system を用いて試料の前分画を行い、分画ごとにリン酸化ペプチドサンプルの調製及び測定を進めることにより、16,000を超えるリン酸化ペプチドに関するH.pylori感染後の時系列活性変動情報を取得した。
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