研究課題
平成26年度には、再び《マクベス》を取り上げ、パリ初演(1865)のための改訂に際して新たな歌詞が必要となった3つの番号曲のうち、前年度の論文では紙幅の都合で取り上げることのできなかった残りの2つ(それぞれ第3幕と第4幕の終わりに位置する第11曲と第15曲)について、その成立経緯とヴェルディの創作意図を考察し、所属研究機関の紀要に論文として発表した。平成27年1月には、二期会イタリア歌曲研究会の依頼を受け、ポスト・ヴェリズモ世代の作曲家ステファノ・ドナウディについて、その代表作であり、3分冊全36曲からなる《古風な様式のアリア》(第1、第2集は1918、第3集は1922に出版)を対象とする研究発表を行った。ドナウディは、36曲各々の冒頭に「アリア」、「アリエッタ」、「バッラテッラ」、「カンツォーネ」、「カンツォネッタ」、「フロットラ」、「マドリガーレ」、「マッジョラータ(五月の歌)」、「ヴィッラネッラ」という、イタリアの古楽や古いイタリアの詩を連想させるジャンル名を書き添えている。歌詞は1曲を除き、弟のアルベルトが兄のために書き下ろしたと思われるが、これらの歌詞に認められる様々な文芸技法が、楽曲の楽想や上記ジャンル名とどのように関わっているのかについて考察・報告した。年度末には、ヴェルディのオペラに関する既発表の5つの論文を再録し、巻末に付録としてヴェルディの《マクベス》の台本対訳と、全体の引用文献・楽譜一覧を添えた冊子『イタリア声楽曲の歌詞の文芸技法と音楽との関係――ヴェルディのオペラを対象として(研究成果報告書)』を作成した。
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東京音楽大学研究紀要
巻: 38 ページ: 87~107
Musica Docta: Rivista digitale di Pedagogia e Didattica della musica, Special issue: Transmission of musical knowledge: Constructing a European citizenship.
巻: Special issue ページ: 111-119
DOI: 10.6092/issn.2039-9715/4314