研究課題/領域番号 |
23520271
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
寺島 恒世 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (80143080)
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キーワード | 歌仙絵 / 三十六歌仙絵 / 時代不同歌合絵 |
研究概要 |
研究2年目の平成24年度は、前年度計画どおりに進め得なかった部分の補遺を含め、おおむね当初計画案通りに実施することができた。実績の概要は以下の4点にまとめられる。すなわち、(1)資料の調査と収集、(2)資料の検討・整理のための基礎作業、(3)論文の執筆、(4)招待講演の実施である。 (1)資料の調査と収集は、基本的に扁額歌仙絵を中心に、以下の各神社・美術館等所蔵資料を対象とした。京都市の北野天満宮蔵の三十六歌仙絵、米国のボストン美術館蔵の三十六歌仙絵、鳥取県倉吉市の小鴨神社蔵の三十六歌仙絵、及び広島県廿日市市の厳島神社蔵の扁額歌仙絵。いずれも書誌調査を行い、デジタル画像の収集を行った。 (2)資料の検討・整理のための基礎作業は、主として、上記(1)の資料のほか、先行研究に紹介された諸作品のデータを対象とした収集を行った。 (3)論文は、平成23年度から準備したものと併せ、2本執筆した。前者は、かねて研究を進めてきた業兼本三十六歌仙絵と時代不同歌合絵の関わりを論じたもので、平成24年度末に刊行された。後者は、平成23年度に調査した神宮文庫蔵三十六歌仙絵を比較の対象に据えたもので、平成24度末に投稿し、平成25年度中に刊行の予定である。 (4)招待講演は、歌仙絵に関わる内容のものである(2本)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細かく見ればすべきであったことは残っているものの、閲覧がかなり困難であった貴重資料を含めて、予定していた資料の調査と収集をすることができ、基礎データの収集もほぼ望ましい結果が得られた。また、論文も公表できたので、おおむね順調と判断される。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度までの成果を踏まえ、収集資料の整理をした上で、それらの比較・検討を行うともに、調査・収集を当初計画の通りに進める。ただし、平成23・24年度に比し、ますます多忙化することが予測される状況ゆえ、方策としては、本務業務の効率化をさらに心掛け、研究に割り振る時間を捻出する努力を重ねることを第一に考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
基本的に当初計画の通り、調査・収集のための旅費を中心に、資料の検討及び論文執筆のための研究書等の購入のために使用する。ただし、本年度も人件費・謝金の支出見込みは大きくないので、資料調査等をより充実させるべく措置したい。
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