研究課題/領域番号 |
23520275
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研究機関 | (財)大阪国際児童文学館 |
研究代表者 |
土居 安子 (財)大阪国際児童文学館, その他部局等, 研究員 (00416257)
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研究分担者 |
遠藤 純 (財)大阪国際児童文学館, その他部局等, 研究員 (10416258)
小松 聡子 (財)大阪国際児童文学館, その他部局等, 研究員 (90416256)
酒井 晶代 愛知淑徳大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10279953)
三宅 興子 梅花女子大学, その他部局等, 名誉教授 (80166131)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 児童文学 / 書簡研究 / 児童書出版史 / 大正・昭和前期 / 巌谷小波 |
研究概要 |
本研究は、明治期・大正期の代表的な出版社の一つであった博文館の児童書、児童雑誌の編集者であり、児童文学作家としても活躍した故・南部新一氏(1894~1986)の書簡を研究することによって、児童雑誌研究、児童出版研究、作家研究への貢献を目指すものである。具体的には、以下の考察を行う。(1)南部新一に関わった作家・詩人・画家・編集者・教育関係者の書簡から読み取れる子ども観、児童文学観(2)南部書簡から見える巌谷小波の児童文学観(3)博文館を通して見た明治・大正・昭和の出版文化と児童雑誌(4)編集者としての南部新一の仕事 2011年度は、書簡の撮影を進め、同時にそれらのデータ化(ID/日付(スタンプ)/制作日付注記/差出人/差出人ヨミ/発信地(差出人住所)受取人住所/受取人/受取人ヨミ/形態(葉書・封書・電報等)/枚数/サイズ種別(年賀・暑中見舞・その他)/用紙種別(絵葉書・官製葉書・便箋種類等)筆記具(ペン・毛筆・鉛筆等)/キーワード/内容/その他注記等)を行っている。書簡を調査する過程で、葉書9,033通、封書8,183通(計17,216通)が存在し、申請当初計画していた明治期の書簡は少なく、大正期、昭和期の書簡が大半を占めることが明らかになった。そこで、時期よりは、差出人を優先し、小川未明、川端康成、吉屋信子など作家、画家、編集者を中心に、207名、2,740通を撮影した。同時に、5回の研究会を行って、差出人の調査を含めた撮影する書簡の選定を行うと同時に、明治期の児童文学史の中心的人物とも言える巌谷小波の書簡を中心に翻刻を行いながら、その内容について検討を行った。そして、『国際児童文学館紀要』25号に研究の目的、進捗状況等の報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所蔵している書簡数が当初予想していた以上に多いため、撮影し、研究対象とする書簡を選定するところに時間がかかっているが、計画どおりの書簡を撮影し、データ化を行っている。 また、文字が読みにくいため、翻刻にも予定以上の時間を要しているが、研究会の時間や回数を増やすことで対応している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおり、南部書簡の中から約2,500通の撮影を行い、23年度と同様にデータ化を進める。同時に、定期的に研究会を開催し、巌谷小波以外の人物にも広げて翻刻を進め、内容を調査し、第51回日本児童文学学会研究大会においてその成果を報告する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の予定通り、書簡の撮影、研究会または学会での発表のための旅費、データベース化の人件費、学会発表のための著作権処理に研究費を使用する予定である。なお、次年度使用額45,560円については、研究会の旅費等に使用する予定である。
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