研究概要 |
研究成果の一部を「アバール語における動詞の進行相形の形成方法」という論文にまとめた。動詞の進行相は、多くの場合、現在時制の連体形+存在動詞AM-uk'ine「ある、いる」で表されるが、未来時制の連体形+AM-uk'ineでも表されることがある。未来時制の連体形を用いて進行相形を作る動詞には制限がある。他動詞および多くの自動詞は進行相形を作るのに未来時制の連体形を用いない。次のような自動詞が未来時制の連体形を用いる。(i)子音1-母音1-(子音2)-子音1-母音1-(子音2)+ -d-ize の形をしている擬音/擬態動詞。(ii)-eze, -d-ize, -d-eze, ar-ize などの形をして、「しばらく~する」、「繰り返し~する」というような意味を持つ派生動詞。(i), (ii)のタイプの動詞は進行相形を表すのに現在時制の連体形と未来時制の連体形を半々ぐらいで用いる。その他、(iii)-d-ize, -d-eze, -d-ar-izeなどの形をした名詞、形容詞からの派生動詞。非派生動詞も21例の動詞が私の調べたテキストで未来時制の連体形を用いて進行相を表しているが、現在時制形を用いた進行相形の頻度が(i), (ii)のタイプの動詞に比べてかなり高い。また、こうした動詞の多くは、-eze, -dize の形をしていて、(i), (ii)のタイプの動詞と形態的な共通点を持っている。 いくつかのタイプの複合動詞に関してテキストの中にあるそれぞれの実例にXML形式で注釈のタグを加えることを行った。特に、上記の進行相形と不定詞+bajbihize「~し始める」であり、格と一致に特徴があるので、その点に特に注意を払った。 動詞A(完了連用形)+動詞Bのタイプの複合動詞のどのような動詞Bが使われているのかについて調査を行った。
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