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2012 年度 実施状況報告書

アバール語における動詞+動詞型の複合動詞に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520484
研究機関小樽商科大学

研究代表者

山田 久就  小樽商科大学, 言語センター, 准教授 (60345246)

キーワードアバール語 / ロシア / コーカサス
研究概要

研究成果の一部を「アバール語における動詞の進行相形の形成方法」という論文にまとめた。動詞の進行相は、多くの場合、現在時制の連体形+存在動詞AM-uk'ine「ある、いる」で表されるが、未来時制の連体形+AM-uk'ineでも表されることがある。未来時制の連体形を用いて進行相形を作る動詞には制限がある。他動詞および多くの自動詞は進行相形を作るのに未来時制の連体形を用いない。次のような自動詞が未来時制の連体形を用いる。(i)子音1-母音1-(子音2)-子音1-母音1-(子音2)+ -d-ize の形をしている擬音/擬態動詞。(ii)-eze, -d-ize, -d-eze, ar-ize などの形をして、「しばらく~する」、「繰り返し~する」というような意味を持つ派生動詞。(i), (ii)のタイプの動詞は進行相形を表すのに現在時制の連体形と未来時制の連体形を半々ぐらいで用いる。その他、(iii)-d-ize, -d-eze, -d-ar-izeなどの形をした名詞、形容詞からの派生動詞。非派生動詞も21例の動詞が私の調べたテキストで未来時制の連体形を用いて進行相を表しているが、現在時制形を用いた進行相形の頻度が(i), (ii)のタイプの動詞に比べてかなり高い。また、こうした動詞の多くは、-eze, -dize の形をしていて、(i), (ii)のタイプの動詞と形態的な共通点を持っている。
いくつかのタイプの複合動詞に関してテキストの中にあるそれぞれの実例にXML形式で注釈のタグを加えることを行った。特に、上記の進行相形と不定詞+bajbihize「~し始める」であり、格と一致に特徴があるので、その点に特に注意を払った。
動詞A(完了連用形)+動詞Bのタイプの複合動詞のどのような動詞Bが使われているのかについて調査を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

進行相形での未来時制の連体形の使用に関してある程度まで明らかにすることができ、論文にまとめた。
進行相形および結果相形における格と一致の現れ方に関して明らかにするために、電子化テキストに情報タグを入れてきたが、この現象を明らかにする上で質的および量的に十分な程度までデータを集めることができたと思われる。
不定詞+bajbihize「~し始める」における格と一致の現れ方に関しても、電子化テキストに情報タグを入れいてきたが、所有する電子化テキストのほぼ全ての例にタグを入れた。
動詞A(完了連用形)+動詞Bのタイプの複合動詞のどのような動詞Bが使われているのかについても電子化したテキストからある程度データを集めることができた。

今後の研究の推進方策

一年目、二年目に行ってきたことを継続するとともに、すでに文法情報に関するタグを入れた電子化テキストを自作の検索プログラムで検索し、データを整理して、動詞A+動詞Bのタイプの複合動詞に関して、(i)進行相、(ii)結果相、(iii)不定詞+bajbihize「~し始める」、(iv)動詞A(完了連用形)+動詞Bを中心として、その特徴を明らかにしていき、論文にまとめる。
アバール語のこのような複合動詞を直接的あるいは間接的に扱っている文献を読み、参考にする。間接的に扱っている文献もあるので、なるべく広いテーマの文献に目を通していく。
他言語の同様の複合動詞に関する文献は、アバール語の分析に有益であるし、共通点と相違点を明らかにするためにも、いろいろな言語の文献に目を通していく。

次年度の研究費の使用計画

いろいろな言語の動詞A+動詞Bのタイプの複合動詞を直接的あるいは間接的に扱っている本の購入を行う。他大学の図書館にしかない本、雑誌を取り寄せ、必要な個所の複写を行う。
アバール語および他言語の情報収集のためロシアへの調査旅行を行う。その際、図書
館等で必要な文献の複写を行う。
コンピュータのソフトウェアをいくつか購入する。メモリカードなどの消耗品を多少購入する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] アバール語における動詞の進行相形の形成方法2013

    • 著者名/発表者名
      山田久就
    • 雑誌名

      人文研究

      巻: 125 ページ: 95-115

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公開日: 2014-07-24  

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