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2012 年度 実施状況報告書

日本語母語話者と中国人日本語学習者の作文・独話・対話に見る接続詞使用の対照研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520616
研究機関一橋大学

研究代表者

石黒 圭  一橋大学, 国際教育センター, 准教授 (40313449)

キーワード接続詞 / 指示詞 / 感動詞 / ジャンル / コーパス / 談話分析 / 対照言語学 / 中国語母語話者
研究概要

2012年度は、2011年度に作成した作文・独話・対話のコーパスにタグ付けを行い、どのような接続詞がどの位置にどのくらいの頻度で使われているかということを、①作文、独話、対話というジャンル別の観点、②視聴経験(『岸辺のふたり』という経験)、現実経験(思い出に残る旅行の経験)という経験別の観点、③日本語母語話者(日本語)、中国語母語話者(中国語)、中国人日本語学習者(日本語)という属性別の観点という三つの観点から明らかにした。分析の中心に据えたのは、日本語の接続詞「で」および中国語の接続詞「然后」である。この二つの接続詞は、日中両言語において使用頻度がとくに高い。
一方、指示詞の使用についても、コ系、ア系、ソ系という系統別に、接続詞と同様の観点から明らかにした。また、接続詞と共起することが多い感動詞(フィラー)についても、「あのー」「そのー」「えー」「えーっと」「なんか」「まあ」などを抽出し、同様の観点から明らかにした。接続詞と指示詞は、重要なディスコース・マーカーとして接続詞使用と密接なかかわりを持つと考えられる。
本研究の意義は、同じ話題について、作文・独話・対話という三つのジャンル、視聴経験と現実経験という記憶において異なる二つの経験、日本語母語話者、中国語母語話者、中国人日本語学習者という三つの調査対象者の属性から、接続詞、および指示詞・感動詞の使用実態を比較することにある。
すでに、この三つのカテゴリーにおいて、接続詞、指示詞、感動詞の分析が進むについて、その使用実態の違いが明らかになりつつある。とくに、独話について、オンラインで話を紡ぎながら産出処理を行うときの母語話者と非母語話者の違いが浮き彫りになりつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2011年度に、作文・独話・対話の文字化を終え、2012年度に、接続詞にくわえて計画にはなかった指示詞と感動詞のタグ付けを完了した。予定されていななかった作業を行ったぶん、分析結果をまとめて発表するという作業は若干遅れているが、これは想定の範囲であり、おおむね順調であると考えられる。

今後の研究の推進方策

2013年度は最終年度であるため、2012年度までに行った分析を形にすることが求められる。とくに、データが中国語母語話者および中国人日本語学習者を含むものであるため、中国語を母語とする研究協力者の協力を仰ぎながら、まとめの作業に取り組みたい。

次年度の研究費の使用計画

2013年度の研究費の使用は、研究発表のための旅費に充当し、残りは資料整理の謝金に使うことを予定している。
なお、2012年度の残額の186,472円は分析結果のまとめの作業が終わらなかったぶんであり、やはり資料整理の謝金として2013年度に執行する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 「談話の『場』によるコ系・ソ系・ア系の指示詞の使い分け」2012

    • 著者名/発表者名
      石黒圭
    • 雑誌名

      表現研究

      巻: 96 ページ: 3-12

    • 査読あり
  • [学会発表] 独話における接続詞『で』の出現をめぐって

    • 著者名/発表者名
      石黒圭
    • 学会等名
      学習者コーパスから見た日本語習得の難易度に基づく語彙・文法シラバスの構築研究発表会
    • 発表場所
      国立国語研究所(東京都)
  • [学会発表] 指示詞の使用に見る独話のジャンル性

    • 著者名/発表者名
      石黒圭
    • 学会等名
      第49回表現学会全国大会シンポジウム
    • 発表場所
      共立女子大学(東京都)

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公開日: 2014-07-24  

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