研究課題/領域番号 |
23520630
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
稲葉 みどり 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50273298)
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キーワード | 第一言語習得 / 第二言語習得 / 言語発達 / Frog Story / 物語文 / CHILDES / CLAN / 日本語教育 |
研究概要 |
本研究は、第二言語としての日本語の創造的発話産出に関わる心理言語的要因を分析し、中間言語がどのような心的メカニズムにより産出(アウトプット)されるかを解明することを目的としている。中心課題は、1)母語の関与、2)目標言語(学ぼうとする第二言語)の関与、学習者が限られた第二言語知識を駆使して言語を産出する際の3)産出のストラテジ-、4)個人に関わる要因、5)複合要因を分析し、中間言語産出モデルを提示することである。言語資料はコーパス化し、公開することを目指して整備している。 今年度は前年度に引き続き言語資料を追加収集し、データベース拡充した。また、コーパス作成に向けて、データ入力→フォ-マット化(コーパス対応形式に変換)やコーディング(検索・計算を可能にする記号付与)作業を中心に進めた。データは公開のための準備が整ってきている。大学院生の教育で試運転を開始した。その中で見つかった入力ミス等を修正中である。また、音声と文字の対応を公開に向けて再度チェックしている。 第一言語習得、第二言語習得に関する理論研究も行い、解析プログラムで分析する内容の精査をしている。来年度はMLUの解析等の基本的なデータの解析から始め、第一言語発達、第二言語発達の特徴を数量的な観点から提示できるような研究を進める予定である。さらに、これまでは英語と日本語の話者の特徴の比較等が中心であったが、新たにドイツ語母語話者の分析を進めることも考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
追加データを加えてデータベースを整備した。データの公開に向けて最終の点検作業とReadmeの作成段階に入った。試運転も開始した。
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今後の研究の推進方策 |
データベースをCLANで分析する予定である。基本情報の分析を実施して、公開する計画を立てている。今後はドイツ語話者のデータを収集拡充する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度予定していた米国への海外出張は大学の業務の都合で平成25年度に実施することにし、平成24年度に購入を予定してた物品の購入を25年度に行うことにしたため研究費に残額が生じたが、平成25年度に以下の計画で執行する予定である。 データの寄贈先である米国カーネギメロン大学へ出向き、公開に向けての点検、整備、試運転をする。データの解析プログラムの開発や利用の手引書の作成も考えている、学会等で成果発表をする。
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