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2014 年度 実績報告書

小規模離島における持続可能な居住システムの構築について

研究課題

研究課題/領域番号 23520962
研究機関下関市立大学

研究代表者

平岡 昭利  下関市立大学, 経済学部, 教授 (90106013)

研究分担者 須山 聡  駒澤大学, 文学部, 教授 (10282302)
宮内 久光  琉球大学, 法文学部, 教授 (90284942)
松井 圭介  筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (60302353)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード小規模離島 / 無人島化 / 離島航路 / コミュニティの維持
研究実績の概要

わが国の有人離島(301島)うち、居住者が100人以下の小規模離島は、114島と離島全体の約4割を占め、その数は過去5年間で3割も増加した。同様に、これらの島々では高齢化率も上昇し、80%以上の島が18島になっている.人口流出によって、離島の小規模化と老人島化がさらに進んでおり、これらの小規模離島の生活・居住環境の悪化を、どのように是正するかが喫緊の課題である。
本年度は小規模離島の就業、航路、生活必需品の入手、医療の4点について、瀬戸内海と南西諸島の島々でヒアリングを行った。
その結果、就業については大半が零細な農漁業であり、高齢者は主に年金に依存していた。そのため、就業形態については、高齢化が進んでも就労が可能となる軽量,少量、省力化の体系を至急構築する必要があること、航路については利用客の減少、老船化、赤字経営など様々な問題を抱えており、自治体による小型の「コミュニティ・ボート」などの設置を検討すべき段階に入っていることが明らかとなった。
生活必需品の入手については、 通販なども利用されているが、ネット利用の普及が進んでいない離島も多く、本土まで出かけての買い物コストは高く、島での一括購入化に向けた組織づくりが必要である。瀬戸内海中部では、かつて行商船が利用されていたが、広大な海域を回る公的補助による「移動販売船」なども検討すべきである。
医療については、小規模離島の大半が無医地区であり、急患の場合の対応が大きな問題である。その搬送方法は、漁船、定期船、海上タクシー、ヘリコプターなど、島によっては様々であるが、広域行政のなかで小型高速船の設置などの体制づくりが求められる。その場合、県域を超えた「海域」を中心としたシステムを策定することが極めて重要であると判明した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 戦後日本における無人化島の発生:過疎化言説に対する批判的考察2015

    • 著者名/発表者名
      須山 聡
    • 雑誌名

      駒澤地理

      巻: 51 ページ: 15~34

  • [雑誌論文] 長崎の教会群と宗教ツーリズム2014

    • 著者名/発表者名
      松井圭介
    • 雑誌名

      歴史地理学

      巻: 57 ページ: 89~104

  • [雑誌論文] 大学院におけるフィールドワーク教育の実践2014

    • 著者名/発表者名
      松井圭介・兼子 純
    • 雑誌名

      人文地理研究

      巻: 34 ページ: 107~125

  • [学会発表] 戦後日本における無人化島の生成2015

    • 著者名/発表者名
      須山 聡
    • 学会等名
      日本地理学会
    • 発表場所
      日本大学(東京都)
    • 年月日
      2015-03-29
  • [学会発表] 長崎の教会群と宗教ツーリズム2014

    • 著者名/発表者名
      松井圭介
    • 学会等名
      歴史地理学会
    • 発表場所
      長崎外国語大学(長崎県)
    • 年月日
      2014-05-18
  • [図書] 離島研究Ⅴ2014

    • 著者名/発表者名
      平岡昭利・須山聡・宮内久光編
    • 総ページ数
      244
    • 出版者
      海青社
  • [図書] 奄美大島の地域性2014

    • 著者名/発表者名
      須山 聡編
    • 総ページ数
      359
    • 出版者
      海青社

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公開日: 2016-06-01  

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