この研究を通じて2つの計量経済モデルの検定を開発した。 ひとつは非線形の関係もゆるすグレンジャーの因果性の検定であり、帰無仮説のもとではχ二乗確率変数の荷重和になるが、荷重が既知なので簡単なコンピュータシミュレーションによって限界値を得ることができる。また、パラメトリックレートで近づいてくる局所対立仮説を検出することができる。 もうひとつの検定は操作変数モデルの回帰関数の関数型の検定である。この検定統計量は帰無仮説のもとで漸近的に平均ゼロの正規分布にしたがい、かつ rate optimal minimax 検定になっている。
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