• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

ティックデータを用いた新規公開株の価格形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530395
研究機関関西学院大学

研究代表者

岡村 秀夫  関西学院大学, 商学部, 教授 (70319606)

キーワードIPO / 新規公開 / 新規株式公開 / 新規上場 / 価格形成 / ティックデータ
研究概要

本年度の研究では、初値成立時までの短期と新規公開後5年程度の長期、それぞれの価格形成について、これまでの研究結果を再検討するとともに、両者の関連について分析を行った。
短期の価格形成に関しては、おおむね上半期の方が初期収益率は高く、また日中の取引状況にも積極的な傾向が見られる。また、新規公開件数は月別の差異が大きいものの、必ずしも1年の前後半いずれかに集中している訳ではなく、件数の多寡が初期収益率の水準に直接影響を与えている可能性も低い。従って、株式市場全体の上半期効果が、新規公開株の価格形成にも影響を与えている可能性が強いと考えられる。なお、追加的に行った親子上場に関する分析結果からは、信頼性の高い情報提供が価格形成に影響を与える可能性が示唆された。
長期の価格形成に関して、初期収益率の大きさで分割したサブサンプルを用いて分析したところ、ブックビルディング(BB)方式導入後の期間については初期収益率の高い場合には長期パフォーマンスが低迷する傾向が明らかになった。一方、入札方式期間については、同様の傾向は観察されるものの、BB期間ほど顕著なものではなかった。
公開価格決定方式別の初期収益率については、入札とBBの比較では、平均値で約5分の1(入札11%・BB53%:ジャスダック)、標準偏差が6分の1(入札15%・BB92%:同)となっており、BB方式導入後に初期収益率が大幅に高くなるとともにバラツキも大きくなることが明らかになった。
背景として、BB方式では仮条件上限価格が公開価格の制約となっており、投資家の評価・人気を公開価格に十分反映できないという制度面の問題が挙げられる。
今後の課題として、公開価格決定プロセスにおける制度・慣行を見直すとともに、新規公開企業に関する情報提供のあり方、新規公開株の短期的な売買のあり方や配分方法について検討することが挙げられる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 新規公開株の価格形成2013

    • 著者名/発表者名
      岡村秀夫
    • 雑誌名

      証研レポート

      巻: 1681 ページ: 35-50

  • [学会発表] 日本の新規公開市場2013

    • 著者名/発表者名
      岡村秀夫
    • 学会等名
      証券経営研究会
    • 発表場所
      日本証券経済研究所東京研究所
    • 年月日
      2013-11-18
    • 招待講演
  • [学会発表] 新規公開株の価格形成2013

    • 著者名/発表者名
      岡村秀夫
    • 学会等名
      証券経済研究会
    • 発表場所
      日本証券経済研究所大阪研究所
    • 年月日
      2013-11-04
    • 招待講演
  • [学会発表] Equity carve-outs and the parent-subsidiary structure in Japan.

    • 著者名/発表者名
      阿萬弘行・岡村秀夫
    • 学会等名
      日本経営財務研究学会第37回全国大会
    • 発表場所
      兵庫県立大学
  • [学会発表] Equity carve-outs and the parent-subsidiary structure in Japan.

    • 著者名/発表者名
      岡村秀夫
    • 学会等名
      証券経済学会関西部会
    • 発表場所
      北浜フォーラム(大阪証券取引所内)
  • [学会発表] Equity carve-outs and the parent-subsidiary structure in Japan.

    • 著者名/発表者名
      阿萬弘行・岡村秀夫
    • 学会等名
      証券経済学会第81回全国大会
    • 発表場所
      獨協大学
  • [図書] 日本の新規公開市場2013

    • 著者名/発表者名
      岡村秀夫
    • 総ページ数
      209
    • 出版者
      東洋経済新報社
  • [図書] 入門証券論[第3版]2013

    • 著者名/発表者名
      榊原茂樹・城下賢吾・姜喜永・福田司文・岡村秀夫
    • 総ページ数
      345
    • 出版者
      有斐閣

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi