本研究から、日本の株式市場におけるアノマリー現象である「半年効果」(下半期に比べて上半期の収益率が有意に高い現象)が新規公開株の価格形成にも影響を与えており、上半期の新規公開株の初期収益率が下半期に比べて有意に高いことが確認された。また、tick dataの情報からも、上半期には投資家行動が積極的であることが示された。長期の株価形成については、新規公開株の収益率が長期的には低迷する傾向が観察され、とりわけ上半期の新規公開株については、新規公開当初の高水準の株価が結果的に長期パフォーマンスの悪化を招いている可能性が示唆された。
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