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2012 年度 実施状況報告書

グローバル化する社会における国際結婚の実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530687
研究機関中央大学

研究代表者

山田 昌弘  中央大学, 文学部, 教授 (90191337)

キーワード国際結婚 / 日本人女性 / グローバル・ファミリー / 香港 / シンガポール / トルコ / 女性差別
研究概要

前年に引き続き、研究協力者(開内文乃・中央大学兼任講師)と香港、トルコ、シンガポールで外国人と結婚した日本人女性に対するインタンシブなインタビュー調査、ならびに質問紙調査を行った。
研究目的の一つは、近年統計的に増大している、アジアで外国人男性と結婚した日本人女性の属性、経緯、動機の解明である。属性としては、ほとんどが大卒であり、大学院卒も多く、比較的高学歴であることがわかった。結婚の経緯としては、現地で知り合う、日本で知り合うというパターンの他に、欧米豪など第三国で知り合うパターンがかなりの割合で存在することが分かった。。「語り」の内容を分析すると、二つのモデル・ストーリーが多くの女性から抽出された。
まず、日本社会における女性差別体験が語られたことがある。日本企業では、居場所がなかった、男性だけが昇進するなど、海外に出かける、もしくは、海外で結婚する決意の背景に日本でのキャリアを追求する女性の生きにくさがあることがわかった。
もう一つは、日本人男性のおとなしさである。当該女性の多くが日本人男性との交際経験があるが、日本人男性が「プロポーズしない」など、アジア人男性に比較して、男女交際や結婚に積極的でないことが語られた。
もう一つの目的は、実際に国際結婚を営む場合の生活状況の解明である。彼女たちの多くは、子どもを産み育てている。一昔前は、国際結婚の場合、男性の国の文化に会わせるというのが一般的であった。しかし、今回調査して分かったのは、一種のグローバル・ファミリーというべき存在が出現しているという事実である。夫婦は英語で話し、母子は日本語、父子は現地語と、三つの言葉が同じ家族の中で飛び交っているという状況がみてとれた。食事や慣習なども、夫婦どちらの文化に偏ると言うことではなく、家族の中にグローバル化が映し出されているという状況が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

海外でアジア人男性と結婚している日本人女性50人以上に調査を行っており、内容分析も順調に進み、いくつかのモデルストーリーも抽出されている。ある程度の量的分析に耐えうるサンプル数を達成しつつある。
問題点としては、対象者がアジアのうち、経済発展が著しい5カ国(地域)に限られていること。また、インタビューに応じる人のサンプルに高学歴という偏りがあることがある、

今後の研究の推進方策

今年は、研究の最終年度として、アジア人と結婚した日本人女性の調査を継続する。量的分析に耐えうるサンプルを集めるため、いくつかの国でのインタビュー調査を計画している。また、「香港特別行政区」を中心に、国際結婚した日本人女性の生活状況、そして、将来をどのように考えているかも含め、日本人女性のネットワークの調査を行う予定である。そして、調査結果を言説分析の手法により、まとめ、成果を出す予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は円高であり、値段が安いツアー等を利用したため、繰越金が発生した。平成25年度は円安が進行しているので、海外調査における費用が当初見積もりより増える見込みである。その補填として、繰越金を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 絶食系男子となでしこ姫2012

    • 著者名/発表者名
      山田昌弘・開内文乃
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      東洋経済新報社

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公開日: 2014-07-24  

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