研究課題/領域番号 |
23530848
|
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
高濱 裕子 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (10248734)
|
研究分担者 |
北村 琴美 大阪人間科学大学, 人間科学部, 准教授 (80411718)
|
キーワード | 世代性 / 三世代 / 歩行開始期 / 思春期 |
研究概要 |
平成24年度の研究計画は、思春期の親(G2)、子(G3)、祖父母(G1)の三世代のデータを収集することであった。加えて、前年度の研究成果を学会で発表することであった。 具体的なデータの収集では、関東圏と関西圏の公立中学校を通して中学1年生と2年生の生徒へ調査を依頼し、実施した。さらに生徒には調査票を各家庭へ持ち帰ってもらい、保護者に調査票への回答を依頼した。また保護者には実の父母(中学生にとっては祖父母)を紹介してもらい、その協力者にも調査票を送付した。調査を予定した中学校8校のうち、中学校側の事情で6校のみの調査が実施された(合計回収数は約2,200名)。本研究の成否は中学校の協力が得られるかどうかにかかっているが、協力依頼の連絡、研究概要の説明、中学校側の調査票の検討、調査時期の調整にはかなりの時間を要することが判明した。そのために予想以上の時間がかかり、8校すべてからデータを収集することができなかった。残る2校については、平成25年度前半に調査を実施する予定である。 研究成果は、第76回日本心理学会及び第24回日本発達心理学会で発表した。先行研究においては検討されていない内容であったため、参加者より大きな反響が得られた。これまでに三世代を網羅したデータはほとんど収集されていないため、全てのデータが収集されれば、必要とされながら検討されていない世代間の関係や世代継承性についての貴重な知見が得られると推測される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要にも記した通り、本年度の調査を予定した中学校8校のうち、中学校側の事情で2校の調査が実施できなかった。そのため、「やや遅れている」と評価した。とはいえ、それらの中学校については、平成25年度にデータを収集する予定であり、取り戻せる範囲の遅れであると判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度中に実施予定の研究計画は、祖父母世代への面接調査である。既に、歩行開始期の孫をもつ祖父母世代(G1)の87名から協力の申し出があった。これらの協力者の中から、20名余りに家庭訪問による面接調査を実施する。 祖父母世代は親世代とは異なり、日本全国に居住地が広がっているため、時間と経費との兼ね合いも考慮し、関東圏と関西圏に限定せざるを得ない。 面接の実施にあたっては、研究分担者、連携研究者の他に、大学院生も雇用して、面接内容の厳選と面接技術の洗練を目指したい。 また、収集途中の中学生のデータの入力と単純集計を行い、できるだけ早期に分析に取り掛かれるように進める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
面接に関連する経費としては、①大学院生に対する謝金、②協力者に対する謝礼品、③面接データの文字化(業者に委託予定)が必要である。 また、④中学校2校分のデータの追加入力と⑤全8校分の単純集計(いずれも業者に委託予定)の経費が必要である。
|