平成25年度の研究計画に沿って調査を実施した。中学校側の事情で遅れていた1校分の中学生のデータ(1年生と2年生)の収集を終えた。当初は関東圏と関西圏でそれぞれ1校ずつ合計2校を予定していたが、関西圏では調査協力の承諾を得られなかったため、断念せざるを得なかった。全ての思春期(中学生)の子ども、その親、そして祖父母のデータの収集が終了した。これらのデータの単純集計を行い、その結果を協力中学校(7校)、協力者(親及び祖父母)へ報告書として送付した。 本研究の対象となった中学生は、全体の3割が父の母(父方祖母)と、全体の5割が母の母(母方祖母)との頻繁な接触を報告した。彼らの祖父母との関わりに関する26項目の質問では、次の8項目に肯定的に回答した者が半数を超えた。即ち、祖父母が自分の身体の具合を気遣ってくれるが8割、祖父母が自分の気持ちを理解しようとしてくれるが6割、祖父母が自分に興味や関心を持ってくれるが7割、親が自分を叱っても祖父母は大目に見てくれるが6割、祖父母は親の代わりにいろいろしてくれるが6割、祖父母は自分が大きな買い物をする時にお金を出してくれるが6割、祖父母がいるだけで何となく安心できるが6割、祖父母は何があっても自分を見捨てないと思うが6割を超えた。 世代性の分析では、歩行開始期の子どもをもつ親、歩行開始期の孫を持つ祖父母、思春期の子どもをもつ親、思春期の孫を持つ祖父母の4群の比較検討を行った。 さらに歩行開始期の孫を持つ祖父母への面接調査を実施し、関東圏と関西圏をあわせて20人のデータを収集した。この面接データは文字転記し、分析に取りかかれるところまで進展した。 研究成果として、論文は査読付きの紀要に1本掲載され、学会発表は日本発達心理学会におけるポスター発表3件を行った。
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