研究課題/領域番号 |
23531074
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
澤田 敬人 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (20254261)
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研究分担者 |
津村 公博 浜松学院大学, 現代コミュニケーション学部, 教授 (30310551)
松尾 知明 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (80320993)
白鳥 絢也 星槎大学, 公私立大学の部局等, 講師 (40600383)
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キーワード | 多文化共生 / 南米日系青少年 / eラーニング / 学び直し / エンプロイアビリティ / 創造性 / 実践共同体 / メディア |
研究概要 |
平成25年度は本研究課題の最終年度として、南米日系青少年のエンプロイアビリティと創造力の発揮を目指しつつも基礎学力を重視する学び直しの場のeラーニングによる創成に関して、最終的な研究結果を挙げるべく取り組みを進めた。最大の成果は「インターネット中学校」と異名をとる南米日系外国人青少年のためのeラーニングによる学び直しの場である「わたぼうし教室」を本格的に機能させ、南米日系青少年が地域社会で雇用されやすい教科目による学びをネット空間で実現し、その参加者としての生徒、教師、支援者、研究者の共同体が、学びの共同体の拡大版として広がることを確証した。本研究課題においてとりわけ重視した能力はエンプロイアビリティに係るものであるが、これを日本語教育を含めた各教科目の学びに落とし込んで意識化し、地域の雇用情勢に通じた教師、支援者が青少年たちを巻き込む形で学びを形成する様態が確認できた。この「わたぼうし教室」の他に青少年の自己表現力の養成による創造力の発揮を目指した映像メディアの制作についても順調に進め、「わたぼうし教室」のコーディネーターとして支援するマイノリティ・ユース・ジャパンの青少年たちが、映像プロジェクトでもいかんなく実力を発揮し、「わたぼうし教室」による学びの共同体が「映像表現」による文化創造の共同体と交錯し、同時に地域に受け入れられ、複数の共同体がまじりあってその規模、質、強度を増すことを確認した。映像は「孤独なツバメたち:デカセギの子に生まれて」というタイトルで知られ、さらに第2作として「ア・エスコーリャ:デカセギ第2世代の母親2人の選択」を作成しているところで、本研究課題では第2世代の日系人の学び直しに集中していたが、日本社会への適応という観点から第3世代を育てることによる日系人コミュニティの自己表現の視点を適切にシフトさせる方法にも成功した。
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