研究課題/領域番号 |
23531176
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
松友 一雄 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (90324136)
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研究分担者 |
宮本 浩治 武庫川女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (30583207)
牧戸 章 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (40190334)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 言語活動 / 言語パフォーマンス / 学習者相互のコミュニケーション / 教師の関わり / パフォーマンス評価 / 言語活動の質 / 教師の実践的力量形成 / 教員研修開発 |
研究概要 |
小中学生の「言語パフォーマンス」の質を把握するためのルーブリックの作成に向けて、授業時における学習者の「言語パフォーマンス」を映像データ及び文字データとして集積し、(1)学習者の言語能力との関係性、(2)授業における教師の教育的関わりとの関係性、(3)授業における学習者相互のコミュニケーションとの関係性の三つの観点から分析を加えた。 (1)の観点から分析を進めた結果、学習者の持っている固定的な言語能力との相関性を認めつつも、実際の授業場面では、教師や他の学習者、教材や掲示物などとのコミュニケーションを通して、言語パフォーマンスの質が流動的に変化していくことが明らかになった。次に(2)の観点からの分析を進めた結果、「情報処理能力」や「文章表現能力」を基盤にした言語パフォーマンスでは、教師により教育的関わりの影響を強く受けて、パフォーマンスの質が向上することが明らかになった。さらに、(3)の観点からの分析を通して、「コミュニケーション能力」を基盤した言語パフォーマンスは、学習者相互の多様なコミュニケーションを通して、その質が向上していくことが明らかになった。 このような分析の結果に基づいて、言語パフォーマンスの質と相関性が高い後者2つの観点に着目すると、授業における学習者の言語パフォーマンスは、教師や学習者、教材などとのコミュニケーションを通して変動する現象的なものであり、その変動をプラスに導くための学習環境やコミュニケーションを模索することが学習者の言語パフォーマンス能力を育成するために有効であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究当初のゴールとして想定していた学習者の言語パフォーマンスの質を把握するための「ルーブリック」の作成であった。しかし、収集した実際の授業における学習者の「言語パフォーマンス」データを分析する中で、教師の教育的関わりや学習者相互の多様なコミュニケーション、教材や掲示物などの学習環境との関わりなどを通して、現象的に質が変動していることが明らかになった。このことから、授業の中でより多くの学習者が言語パフォーマンスの質をプラスに変化させる要因を追求することの重要性が明らかになった。 このことから、本研究は評価活動のための「ルーブリック」の作成に加えて、授業時における教師の教育的関わりのあり方、教材や掲示物など学習環境の整備の方法、学習者相互の多様なコミュニケーションを学習場面として想像するための方法の三つの研究を加えて、包括的に学習者の「言語パフォーマンス能力」を育成するための方法を明らかにしていくこととなった。 また、この研究に協力している協力校での学校作りや教員研修を通して、このような研究の知見を効果的に実践していくための教員研修や学校作りのあり方を追求していく必要性も生じている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の成果を受けて本年度は、授業における教師の教育的関わり及び学習環境の構成が、学習者個々人の言語パフォーマンスに及ぼす影響を明らかにし、言語活動の充実のために必要な教師の実践的力量の内実を明確にしつつ、教員研修プログラムの開発を進めていく。 加えて、授業における学習者相互のコミュニケーションの実態を映像の形で集積し、どのような学習課題でどのような関係性が生じてくるか、そうした関係性を効果的に生かしながら学習者の思考や理解を深めていく方法の模索を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度、授業における学習者の「言語パフォーマンス」を映像データ及び文字データとして集積していく必要性が生じたため、成果公開を中止して、特に映像データを集積していくためのハードディスクやソフト、デジタルビデオカメラを購入した。また、実際の授業の中での学習者の言語パフォーマンスをより多角的な観点から分析していくために、実際の授業をその場で見る事を重視したため、予算以上に交通費が必要となってきている。そこで、理論的な追求の速度を落として、文献費等を削減しできる限り実際のデータをの集積と分析を進められるように計画を変更していくこととする。
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