研究課題/領域番号 |
23531190
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
坂本 美紀 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (90293729)
|
研究分担者 |
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
山口 悦司 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00324898)
西垣 順子 大阪市立大学, 大学教育研究センター, 准教授 (80345769)
|
キーワード | アーギュメント / 小学生 / 理科授業 / スキル評価 |
研究概要 |
(a)実験授業の評価:ライティング(記述)のアーギュメント・スキル育成を目指した理科授業に関わるフォローアップ授業について,授業中のワークシートおよび遅延ポストテストにおける学習者のアーギュメントを,前年度策定した分析フレームワークに基づいて分析し,スキルの定着を評価した。 (b)分析フレームワークの精緻化:前年度の成果として,ライティング(記述)のアーギュメント・スキルについて,その獲得を評価する課題の他,授業内容に即した評価課題を策定し,実施した。訓練及び成果評価の中で得られた学習者のアーギュメントの具体例に基づいて,各課題の評価ルーブリックを見直し,完成させた。 (c)単元プランの改善・実験授業実施:小学校5年生理科「振り子の運動」「溶解」において開発した単元を,成果評価の知見に基づいて修正した。児童が実験で追及する課題の言語表現を修正した他,アーギュメント・スキルの転移を促すために,学習活動の詳細,特にアーギュメントの基本枠組みの指導や訓練の内容を,部分的に修正した。 (d)中間成果公表:小学校高学年におけるアーギュメント・スキルの実態について,追加の分析を行い,国際会議(Annual Conference of Australasian Science Education Research Association)で発表した。フォローアップを含めた2つの実験授業によるアーギュメント・スキルの育成効果を,日本教育心理学会総会および日本発達心理学会大会において発表した。前年度の研究成果である,アーギュメント・スキルの評価枠組みに関するレビューをまとめ,学術論文として公刊した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験授業の評価,分析フレームワークの精緻化,単元プランの改善,そして中間成果公表のいずれの側面においても,当初の計画通り,順調に進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
改善した実験授業によるスキル育成の成果を,数量的分析を中心に評価する。学会等における議論を踏まえて,さらに内容を精緻化させて,研究成果を学術論文等で発表する。また,個人単位の分析を行い,単元後もスキルが向上しなかった児童について,その原因を探っていく。評価の知見に基づいて授業活動の詳細やデザイン指針の改善を行い,アーギュメント・スキルを育成する授業のモデルケースとし,評価ルーブリックなどとともに,教育現場に還元できる成果物として,広く一般に利用できるようにする。
|
次年度の研究費の使用計画 |
物品費,旅費,人件費,その他の費目について,使用する計画である。
|