近年、RTIモデルに基づく学習障害の支援が注目されている。このモデルは、通常学級の児童の中に、読み書き困難のリスク要因を持つ児が存在し、要因に対応した早期支援の必要性を示している。2011年度には小学校低学年の通常学級児童における漢字読み書きの低成績に関して、実態調査を行い、読み書きの低成績の発生に関与する要因を明らかにした。2012年度には読み書きの低成績の発生に関与する要因に対応した教材を開発し、通常学級での利用に基づいてその効果の検証を行った。2013年度にはNIRS法により前頭前野の脳活動計測を通して、教材の有効性を検討した。今後、小学校全学年における検討が必要である。
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