本研究は,結び目群の指標代数多様体とその上の関数であるねじれアレキサンダー不変量の情報を用いて,結び目の幾何学的性質をある種の「有限性」で捉える枠組みを与えることを目標としている.得られた成果の概要は以下の通りである. (1) 2橋結び目を含む広範な結び目のクラスに対して,指標代数多様体の1次元既約成分上でのねじれアレキサンダー不変量の情報を用いて,結び目のファイバー性と種数が決定できることを示した. (2) 双曲結び目のファイバー性と種数に関するDunfield-Friedl-Jackson予想を,2橋結び目のある無限系列に対して肯定的に解決した.
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