近年、実験によってその存在が明らかとなった重いクォークを含む新奇なハドロン原子核状態に対して、強い相互作用の基礎理論、量子色力学 (QCD) に基づく統合的な理解を目指した研究を行なった。近年飛躍的にその精密化が進んでいる格子QCD計算において、1)ハドロンの内部構造を探索するのに適した新しい手法、ベーテ・サルペータ振幅法の重いクォーク・反クォーク系への応用とその有用性を示すことに成功した。2)一般化した境界条件を用いた拡張された有限体積法による共鳴探索法を提案し、新奇なハドロンとして発見が報告されていたY(4140)共鳴に対して物理点での格子QCD数値計算によってその存在検証を行なった。
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