研究課題/領域番号 |
23540372
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
栃原 浩 福岡大学, 工学部, 研究員 (80080472)
|
研究分担者 |
水野 清義 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (60229705) [辞退]
白澤 徹郎 東京大学, 物性研究所, 助教 (80451889)
小森 文夫 東京大学, 物性研究所, 教授 (60170388)
鈴木 孝将 福岡大学, 工学部, 教授 (10580178)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
キーワード | 酸化シリコン超薄膜 / エピタキシー / 半導体/絶縁体接合 / シリコンカーバイド / バンドギャップ |
研究実績の概要 |
平成26年度は、研究成果を国内外の会議において発表するとともに,関連の国内外の研究室を訪問し,それぞれの得意な分野からの批判やコメントをもらうことを主要な活動内容としたいと延長申請を行ない、認められた.25年度末に行なったSi面(6H-SiC(0001))のSTM結果をまとめることもおこなった。Si面上の結晶性酸化シリコン単層膜は、C面と同様の周期配列(今後、簡単のためSQRT3と書く)を示すが,その構造と化学組成は少し異なっている。C面のそれの化学組成がSi2O3であるのに対して,Si面のそれはSi2O5である。この結晶性酸化シリコン単層膜は正確にはSiC(0001)-( SQRT3x SQRT3)R30-Si2O5と表示される。 Si面サンプルのSQRT3を低速電子回折(LEED)で観察したところ、シャープな(SQRT3xSQRT3)R30のスポットが得られたので,STM装置で観察した。C面のときと同じく、表面は平滑ではなく直径が2~5nm、高さ約1 nmの円盤状の物質(今後、ナノ粒子と呼ぶ)が存在していた。これらのナノ粒子はSiO2であると考えられた。C面のときと同様に加熱によりナノ粒子のみを取り除く方針を立てた。温度を900-1000度Cの間で10-20度Cずつ上昇させ、STM観察を室温でおこなった.しかし、C面と異なり,加熱に伴い,ナノ粒子を取り除く前にステップ形状が乱れる現象に直面し、そのせいか結晶性酸化シリコン単層膜の存在を原子レベルで確認することはできなかった. したがって、国内外の学会での発表等は,おもにC面の結晶性酸化シリコン単層膜、すなわち、SiC(000-1)-(SQRT3x SQRT3)R30-Si2O3について述べた.電子デバイスの複数のグループから興味を持っていただいたので,今後の共同研究につながることが望まれる.
|