「油水界面は生体膜のモデル系になり得るか?」という命題に答えを出すため,生体膜により近いと考えられる自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer; SAM)および油水界面での電子移動を比較検討することによって,油水界面と生体膜の類似性と相違点を明らかにすることを目的とした。 サイクリックボルタンメトリーなどの電気化学測定法を用いて,SAM膜/水溶液界面のガルバニ電位差が油水界面と同様に電子移動に重要な役割りを担うことが明らかになった。しかし,SAM膜/水溶液界面では油水界面と異なり,生体膜類似のシトクロームcの電子移動を観察することができた。
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