キメラ型ペプチド触媒において,反応には直接関与しないヘリックス構造部位が,触媒活性部位のターン構造を安定化させていることを2次元NMR測定により明らかにした。コンビナトリアル法による最適ペプチド触媒の探索を行い,これまでにはなかった新たな配列が見出され,立体障害以外のメカニズムで選択性が発現する可能性を明らかにできた。キメラ型ペプチド触媒による反応の拡張として,いずれも一般の有機触媒では困難な,β位2置換のα,β-不飽和アルデヒドに対する共役付加,ならびに面不斉フェロセン誘導体であるエナールに対する速度論的光学分割が進行することを見出した。
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