研究課題
本研究の全体の目的は、製造後、時間軸上でランダムに変調する閾値電圧Vtの動的なばらつき量σVtを擬似的に検出する手法、再び収束させる事を前提にした新たなVLSI設計手法を考案することであり、H23年度~H25年度の3年間の最終年度で以下の研究を進めた。(1)コンセプト設計:時間軸上でランダムに変調する閾値電圧Vtの動的なばらつき量σVtを擬似的に検出する手法、再び収束させる手段のコンセプト設計とその実現可能性の検討 (2)モデリングとシミュレーション:コンセプト設計の実現可能性を定量的に検証するためのシミュレーション用のモデリングの実施。H25年度までに発表された最新のMOSFET特性、RTNを含むσVt値を更新。特に、全体SRAMマージン特性変動解析のための畳み込み、逆畳み込みの解析手法のモデリングを中心に実施した。そのシミュレーション結果に基づき、必要なσVt削減値の決定。削減のための製造後 Vt収束用印加Biasの電極選定と印加Bias・時間値の決定。(3)実効的なσVt_limit値向上のためのマージンアシストオフセット電圧制御電極とBias値の決定。(レプリカ回路・Bias条件可変調整幅、手段決定)(4) 上記(1)~(3)で得られた研究成果を、最終年度で査読付きの国際学会で10件発表し、査読付きの学術論文誌に7件採択され、掲載が決定した。これまでに得られた成果の意義は、RTNによる閾値電圧Vtの変調幅が、従来のRDFによる閾値電圧Vtの変調幅に比較して同等か、大きくなった場合の各種設計への影響を定量的に示した。特に、畳み込み、逆畳み込みの解析手法を新規に提案した。例えば、製品出荷前のスクリーニングテスト電圧条件の必要変更量と歩留まり損失量を統計的な解析手法から得られた結果から明らかにした。さらに、スクリーニングだけでなく必要なマージンアシスト量も同様に明らかにした。特に、モデリング誤差が各種設計に及ぼす影響を定量化に示し学会や学術論文でも評価された。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件)
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