出産時の酸素不足に伴う死亡や脳後遺症を軽減するために脳低体温療法が試みられているが、脳深部温度を無侵襲で計測する装置はなく、臨床からは表面から5 cmの深さで1 ℃以内の誤差で測定できる装置の開発が求められている。本研究では室温で動作する新生児脳深部温度無侵襲計測用5周波マイクロ波ラジオメータシステムの開発を行っており、アンテナケーブルを含むシステム全体の温度対策、循環冷却水中の気泡除去対策などを工夫した結果、誤差0.44 ℃、信頼区間約1.3 ℃を実現した。今後は個別部品で製作している回路を専用の集積回路で構成することで、臨床現場での試験機を製作することが課題である。
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