本研究課題は、通常の免震構造には不可欠である地下のピットを用いることなく、高層建築物に免震構造と同等の高い減衰性能を与え、かつ、地震時における加速度応答の低減を実現する構造形式について、解析的な検討を行ったものである。5層鋼構造建物の1/30スケールモデルを高精度に制作し、小型振動台を用いた地震波加振実験により、減衰効果と振動数の変化が関連していることを初めて実験で検証した。実験研究と解析検討により、積層ゴム支承と減衰装置を組合せ、柱梁骨組み内部に分散配置する構造形式を詳細に検討した。この構造形式を「部分免震構造」と定義し、特許の出願を行うとともに積層ゴムに必要な部材性能を明らかとした。
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