ヒゲナガケンミジンコ類の「棲息ニッチ分割」要因を検討するための一助として、餌である植物プランクトンのリン含有量が、ヒゲナガケンミジンコ類の発育に与える影響について調べ、得られた結果を「低標高・低緯度分布種」と「高標高・高緯度分布種」との間で比較することを試みた。いずれの種とも、リン含有量が小さい餌を与えた場合には発育が著しく遅滞すること、「低標高・低緯度分布種」では低水温での生存率が低下すること、がわかった。従ってヒゲナガケンミジンコ類の「棲息ニッチ分割」には、餌の質よりも棲息水温の方が強く影響している可能性が示された。
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