Wolbachiaによる強い細胞質不和合(CI)によってもたらされる、寄主マメゾウムシの種分化の可能性について、実験的に検討を行った。Wolbachiaの除去実験や導入実験の結果、Callosobruchs属4種において、種分化へのWolbachiaの関与は検知できなかった。一方、4種の中でWolbachiaに寄生されているC. analisの9系統において、Wolbachiaの除去実験や導入実験を行った結果、CIは、寄主との共進化の歴史が長いほど、弱くなっていた。つまり、C. analisにおいてWolbachiaのもたらすCIの強さは、寄主との共進化の産物であった。
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