本研究では,耐圧容器と加熱装置を用いてつくられる熱水の反応場で米澱粉のナノスケール微細化を進め,難分解性のモチ米澱粉を分解し,平均粒子径105.4 nmの澱粉ナノ粒子を調製することが可能であることを示した。亜臨界水のイオン積によって,加圧熱水の反応場の特性を評価できることが明らかになり,さらにイヌリン加水分解を試みた,本研究の目的である加圧熱水を用いた澱粉・多糖類のナノ粒子分散系調製技術についての新しい知見を得ることができた。これらの熱水ナノスケール微細化や反応場の評価法は,ナノ粒子調製リアクタの熱水の反応場制御に利用できると考えられる。
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